暮らしでは絶滅していた、伝統の木版バロトラプリント|ラジャスタン州・バロトラ

Balotra Blockprint

ウッドブロックに柄を彫って印刷するインドの布の制作技術ブロックプリントに、BALOTRAという町で作られたものがあります。

2016年9月にインドを訪れた時、AnokhiのコレクションでもBalotraがフューチャーされていました。
Anokhi アノーキへ行こう!かわいいインド布を使った服や雑貨が買える店

色の組み合わせやパターンなど、インド号好みのものが多いのです。
特に、この生地で作ったスカートを身に着けた女性たちの姿を見たいと思ってBalotraへ向いました。

バロトラってどこにあるの?

バロトラ(Balotra)は、ラジャスタン州バルメール県にあります。
インドの西部、パキスタンの国境近くにある小さな町です。外国人の姿は全然見かけませんでした。

伝統布を作る工房を探そう

カーストや職業によって、身につける柄が異なるというバロトラプリント。既婚女性のスカートの裾は赤いソリッドの縁取りがされていて、未亡人になるとその縁取りが取られるといいます。

この町へ来れば、そのガッグラ(ghagra)と呼ばれるスカートを身に着けた女性たちの姿を当然のように見られるのかと期待していました。

現代の人気は化繊の花柄

バロトラの女性たち

町中を車でひた走り。全然見かけません…。

女性といえば、お買い物!市場へ行けば会えるかも!いえ、全然いません。
他の町とはまた違う、大柄の花がモチーフのラジャスタン衣装が人気のよう…。

ようやく発見?!

!!あ!!見つけた!
車から飛び降りるように駆け寄ってみましたが、ハンドプリントではなく、機械でプリントした単一的な化繊。お年を召した女性でも、機械バージョンを着てるなんて。涙

もう一人発見。三人組の内のお一人でした。
でもやっぱり化繊の機械プリント。柄の出方も均一で、とても残念。

バロトラで呼び込みをする布屋

路上で呼び込みをする布屋さん通り

田舎道を走ってもらったり、布屋さんをいくつか尋ねてみたり。布屋さんでは、写真を見せて取扱について聞いても、バロトラプリント自体を理解できないようで、まるで違う布を勧めてきます。こんなことがいくつか続き、この町にはもう存在していないのではないかと思った頃…。

ドライバーさんの機転で、こちらに来る前にお世話になった伝統技術を守っている職人さんに連絡を取って探してくれていました。すばらしい!!

バロトラプリントを守る唯一の職人一家

大通りの裏のコミュニティーへ

急展開で、バイクがお迎えに。バイクの先導で、大通りから中へ。車を停めて、歩いて更にコミュニティーの中へ中へ。

バロトラの町

すると、そこにはムスリムの男性がたくさんいらっしゃいました。
おばあさまが亡くなったばかりで、3日間仕事も何もせずに喪に服しているところでした。
本来なら仕事をしてはならないところ、日本から来たわたしたちを快く迎え入れてくださったのです。

最後のバロトラプリント職人ご一家

念願のバロトラプリントを作る職人に出会いました

案内されて奥の小部屋へ行くと、棚の中にバロトラプリントがぎっしり!
あぁやっと会えた!身につけている人はいないけれど、作っている人々には出会うことができました。

バロトラプリントのスカート

バロトラプリント工房の跡継ぎアクバルさんお話を伺うと、もう地元で身につける人はいないとのこと…。
この布に魅力を感じているのは、いまや外国人や都会の人のみ。

しかも、こちらのご一家が最後のバロトラ職人さん。本で見ていた作業や布も、すべてこちらのご一家が制作したものでした。出会えて本当に良かった!!感謝です。

工房を見学

バロトラプリント工房

他の染織も同様ですが、バロトラプリントもいくつもの工程を経て作り上げられる布です。

まずは真っさらな布を、洗ってキレイにして、後の色が入るようにします。
そして、ハリタキ(ミロバラン)、乾燥。木版はここから登場します。黒色、色止め、赤色、洗い&乾燥、泥染め、藍染、洗い&乾燥、泥染め、黄色&緑色、洗い…。

赤色染め工程

木版ブロック

くすんだ色合いが欲しくなる木版

藍染

藍染が美しい

 ナショナルアワードを受賞した貴重な布など 

バロトラの世界を満喫しました。

インド号ポイント

手仕事劣勢・機械優勢

他の手仕事を巡っていてよく感じることなのですが、インドには手で作ったものより機械で作ったものの方が良い物という価値観が強く存在しています。
もしくは同じもので安いならその方がいい。でも厳密には、まーーーったく違うものなのですが。

美しい自然を一度壊すと、同じものは取り戻せないように、消え行くインドの伝統技術は、完全に消える前に存続して欲しい。痛切に願います。

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