テキスタイルショップ&製作スタジオ!「Weavers Studio」|西ベンガル州・コルカタ

数少ない西ベンガル州のテキスタイル情報

今回の旅では、Kantha(カンタ、刺し子)やJamdani(ジャムダニ織)など、西ベンガル州のテキスタイルと出会いたいと思っていました。有名なラジャスタン州などに比べると、西ベンガル州の情報は格段に少なくて、本やネットで調べても、盛んに行われている場所を具体的に絞り込むことができませんでした。

現地で尋ねてみると、世界で人気のカンタでさえ「カンタって何?」という反応。ビハール州の村を巡ったときの苦労が蘇ります!
インドの手仕事1:暮らしを描く「スージニ刺繍」|ビハール州

参考にした本

Handmade in India: A Geographic Encyclopedia of Indian Handicrafts インド 大地の布―岩立広子コレクション 旅行人162号 美しきベンガルの大地へ(バングラデシュ+西ベンガル州) Ethnic Embroidery of INDIA (English Edition) 

WEAVERS STUDIOのショップ

情報が少ない中、どうしても来たかったのがこちら、コルカタ市内にあるWEAVERS STUDIO(10:00〜18:00 日休)です。

店内には、インド伝統の織物、木版、刺繍、アップリケなど、あらゆる布が集合!

インド各地を代表する布で作ったサリー、チュニック、洋服、ストール!!!

ファッションウィークで使用したという衣装が飾られていて、とっても華やかでした。

インド号がこちらを尋ねて来た目的などを尋ねられ、仕事内容を伝えると製作現場をご案内いただけることになりました。ヤッタ!!

ランチを食べてから、ゆっくり伺いましょう。
オーナーさんにベンガル料理のオススメを教えていただきました。ショップのお向かいに2店「Fish Fish」「Kasturi」もあるという好立地。
インド号は、Kasturiでおいしいランチをいただきました。みなさんもWeavers Studioに行ったら、寄ってみてくださいね。

製作スタジオを拝見!

お腹を満たしたら、タクシーで製作スタジオへ!
タクシーで10分ほどの距離。Ruby Hospital裏の工業団地の一角にありました。

対応に出てきてくださった方は、オーナーさんからの連絡を受けた方ではなかったようで、ちょっとガヤガヤ。。。スタジオのスタッフさんがオーナーさんに電話で確認し、無事ウェルカム状態になりました。ほっ。

案内してくれたWevers StudioのグラフィックデザイナーStreeduttaさんとインド号田村ゆみ

笑顔がかわいいグラフィックデザイナーのSreeduttaさんが、付きっきりで案内してくれました。

入るなりすきな布の山!

5階建ての明るいビルです。屋上までもが製作スタジオ。

それぞれ最高の職人さんが作業にあたっています。
このスタジオで作業している職人さん以外にも、ブロックプリントされた布を村へ持ち帰り、地元で作業をして1~2ヶ月後にまた持ってくる職人さんなど、総勢250名あまりがWEAVERS STUDIOの作業を行っているというのです。

1993年、たった5つのブロックプリント台からはじまったというWeavers Studio。今やテキスタイル好きにはたまらない、全てが揃っているかのような夢の空間です。

では、ご覧ください!

ミシン – 唯一の機械

基本的に機械を用いず手作業で行っており、一階ではミシンのみが電動です。
滞在中に停電になりました。ミシンのみがストップし、他の作業は変わらず進んでいました。

チェーンステッチができるミシン。裏側は、カンタ(刺し子)になっています。

ポジャギ – 韓国由来のパッチワーク

ポジャギは手作業で行うのが本来なのだそうですが、こちらではミシンで加工しています。端切れを5 x 5サイズで再利用しています。
工房を一巡して、最後に2階へ戻ったら完成していました。

ザルドジ刺繍 Zardozi

ザルドジ(Zardozi)とは、金銀銅などメタルの糸やビーズを使った刺繍のこと。
こちらでは一つの低いテーブルに敷いた布に、6人一組で作業をしていました。裏側を覗くことはなく、指先の感覚で黙々と丁寧に作業していましたよ。

この時作っていたのは、サリーのボーダー。

一つの布に6名体制で刺繍

ドレス用のパネルは、この後組み合わせて大きなドレスへと変貌します。
デザインをパウダーで乗せ、そこに沿って刺繍していきます。

デザインなど統括するのは、マスター。細かい指示は職人さん一人ひとりがプロなので特に必要ないとのこと。さすがです。

パッチワーク Bhikari

端切れさえも大切に!

ベースの布に、端切れを配置し、縫い付け、最後にカンタで仕上げます。
ファッションフィークではドレスにもなりました。赤、黒、インディゴの3色展開。

各種仕上げ担当

端の始末のプロフェッショナル

仕上げ担当の女性は計3名。
彼女たちは、フリースタイルでいろんな仕上げをすることができるのだそう。この日は、サリーを、三角形のアップリケスタイルで仕上げていました。

木版 Wood Block Printing

はじまった当初5台だったというプリント台は、今や大きなフロアを埋め尽くすように配置されています。

これまで使用した約2000~3000種類の木版ブロックの管理は、フローラルジャリ(Floral Jali、花柄の透かし文様)、ジオメティカル(幾何学文様)など、柄のキーワード毎にファイルにまとめられています。

勤続20年のマスターが、どこに何があるか熟知しているそう。

全部木版ブロックの棚

木版ブロックを制作すると、紙に押印してサンプルを作り、番号を振って、カタログに追加します。
この日登録作業をしていたのは、スペイン人デザイナーのセバスチャンさんのシンボリックなデザインブロックでした。

受注によるコンテンポラリーなデザイン

伝統の技を利用したコンテンポラリーな作品作りも手伝ってくれます。竹の皮をテープにしたり、プレーンなブロックを使ったり、ローラーで色付けしたり、ハンドペイントしたりと、柄も方法もカラーリングも様々でした。

ブロックプリント作業を行っているドイツ人デザイナーの姿もありました。Weavers Studioとの協力は、デザインだけ行い作業はお願いすることも、作業まで自分で行うことも可能です。

シルクスクリーンプリント

ブロックとは違い大型スクリーンを用いてプリントする技術。
スクリーンも番号で管理。台の両側から2人で支え、スイスイとプリントをしていく姿が美しい!

バティック

布にスクリーンでプリントを施し、見えづらくなったらパウダーで復活させていました。

パウダーで復活させた模様

タッサーシルクにバティックを施したり、そこに更にブロックプリントをしたり、複雑な工程を経て1枚の布ができあがっていました。

糸紡ぎ・糸染

糸もこちらで紡いでいます。本当に最初から最後の工程までがWeavers Studioにはあるのです。

織物

織り機も豊富です。カタンカタンという心地よい音が響きます。

農村部では顔を拭いたりするのに使用されているガムチャも織られていました。こちらではシルクとコットンの混紡で、ショールとして作っています。とってもステキ!

しぼり

アフリカンステッチ、バンデジ、ラインなど、一人ずつ違う縫い方に対応しています。

テキスタイル図書館

4階には、本格的なテキスタイル図書館もありました。図書館担当者も配置されていて、世界中のテキスタイル関連本がずらっと並べられていました。日本語の本ももちろん揃っていました。オススメをいろいろ教えていただきました。

アーカイブ(資料部屋)

貴重なコレクションを拝見するために、白手袋を装着!
19世紀初頭のノクシカンタ(刺し子)は、日々の生活から得たデザインを一人の女性が作り上げたもの。通常、赤ちゃんのおくるみや婚礼用に作ります。

外国のミュージアム所蔵品や、次期エキシビジョンのリーフレットデザインにも使用されている紫と金糸が美しいBalucheri サリーなどなど。

時間が許す限り見せていただきたい逸品揃いでした。

巨大アイロン

どんなにクシャクシャでも、一発でシワを伸ばしてくれる巨大アイロンマシーン。商品らしく変貌。

Weavers Studioのみなさん

職人さんも、他のスタッフさんも、働いている皆さんの穏やかな雰囲気や、流れている空気感が印象的でした。人を尊重する良い会社なのでしょう。

テキスタイルのことはもちろん、デザインのこと、コルカタでおすすめのごはんや見どころなど、いろいろ教えてもらいました。すてきな友人ができました。

次回エキシビジョン「Baluchari バルチャリ」

現在、大きな大きなエキシビションの準備中です。

テーマは、Baluchari(バルチャリ)。
Tapi Collection およびWeavers Studio Resource Center 所蔵品が展示されます。
Baluchariは、18~19世紀にベンガル・バラナシなどで盛んに作られてきたシルクサリー。ムガール帝国らしい繊細な文様が織られています。

消えゆきつつあるBaluchari。Weavers Studioでは、なんとか存続させようと尽力しています。貴重なコレクション、ぜひ見に行ってくださいね。

テーマ Baluchari(バルチャリ)
開催日時 2016年11月18日〜12月4日 11:00~20:00(月休)
場所 Birla Academy of Art & Culture, Kolkata
108-109, Southern Avenue Kolkata, West Bengal, 700029

1DAY セミナー

開催日 2016年11月19日
講師
  • Rosemary Crill (V&A博物館の前シニアキュレーター)
  • Shilpa Shah(TAPI Collectionオーナー)
  • Dr Jyotindra Jain(歴史家、博物館学者)
  • Tulsi Vatsal(Sahib、Bibi、Nawab本の共著者)
  • Anjan Chakravarty(テキスタイル専門家)
  • Sayamali Das(歴史家、作家)
  • Nita Senguputa(Indian Museumキュレーター)
  • Kasturi Guputa Menon
  • Chandrashekhar Shaha(バングラデシュのテキスタイル専門家)
  • Brinda Gill(作家)
参加費 2500ルピー
教材費、ティー、ランチ、ハイティー等含む
Weavers StudioのBaluchariセミナー詳細

Weavers StudioのBaluchariセミナー詳細

2DAY フィールドトリップ

現在Baluchariが唯一織られている町Bishunupurを訪れます。

開催日 第1回 11月20日、21日
第2回 11月26日、27日
参加費 4500ルピー(一人部屋利用の場合 5000ルピー)
Bishnupurまでの旅費、2人部屋宿泊、食事、交通費、ガイドツアー代金、観光込み

セミナーとフィールドトリップ両方参加の方は6000ルピー

Weavers StudioのBaluchariフィールドトリップ詳細

Weavers StudioのBaluchariフィールドトリップ詳細

インド号ポイント

WEAVERS STUDIOは、古いものを集めるのは事業のうちの一角で、根幹として古くからあるものを続けることを大切にしていました。

新しい形との融合も率先して行いつつ、伝統にのっとった物作りへの手を惜しまず、魅力を広く発信していました。

Use as many hands as possible.
できるだけたくさんの手を使う。

この信念は、確実に体現されています。

インド号の最新情報

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