タルチョとは…
ラダック・レーの町でタルチョ発見!
タルチョとは…
ラダックのタルチョタルチョは、いっぱい願いがこめられた五色の旗
「タルチョ」って、ご存知ですか?
名前は聞いたことがなくても、写真をみたら「ああ!」と思う方もいるかもしれませんね。インド北部やチベット、ネパールなどヒマラヤ周辺のチベット文化圏(チベット仏教圏)でよく目にする旗です。
日本では、見た目のかわいさから、仏教に関係なくキャンプなどでテントに付けたりする人たちもいますよね。
タルチョのイラスト
タルチョは、ただの飾りではなく、
そこで暮らす人たちの願いがいっぱい込められています。
みんながしあわせでいられますように。
大きな災害などありませんように。
たくさんの実りをいただけますように。
病気などを患うことなく、元気でいられますように。
そして、チベット文化圏の人たちにとって、とても大切な元気の知恵・心の支えである「ブッダの教え」が、遠くまで届きますように。
タルチョのアップ真ん中には馬、まわりにはお経が書かれています
旗の真ん中に描かれた馬(ルンタ)は、その願いを背中に乗せて、風にのって遠く遠くまでかけていくのです。
だから、タルチョにとって「風」はとても大切。
風が通るたびに馬は空へ飛び出して、遠くまで行けるから。
遠くまでかけていけるように、風の通り道にタルチョをかけます。
お経が書かれたタルチョは、風にはためくとそのお経を読んだと同じ功徳があるとされます。馬ではなく、お経だけが書かれたものもありますよ。
ちなみに、青は「空・天」、白は「風」、赤は「火」、緑は「水」、黄色は「地」を意味していて、この世界のすべてをつくる「五大元素」を表しています。
ラダック・レーの町でタルチョ発見!
レーの町にかけられたタルチョ
ラダック・レーに着くと、標高3500mの町をタルチョが彩っていました。
その姿はとても自然で、古くなって色あせたものや、付け替えたばかりのような鮮やかな色のもの、通りにまたがったものや、屋根の上に付けられたものなどさまざまで、ここで暮らす人びとの生活にあたりまえに存在しているものだとわかりました。
ふと風にたなびくタルチョを見上げたとき、くっきりと馬の姿がみえました。
この場所の人たちが、「どうかブッダの教えが届きますように」と願ってつけた、このタルチョ。風にたなびいて、馬が空をかけぬけて…
「ちゃんと日本まで、届いた!!」心の中で叫びました。
遠く離れたインドから、日本にいるわたしにも届いたのです。
そのときは「ブッダの教え」といってもちゃんと理解できていたわけではないけれど、それでも仏像やブッダのことを想ってインドまでやってきたわたし。
今は飛行機でアッという間にいけちゃうインドだけれど、アジアの果てである日本までブッダの教えが届いたことって、本当にすごいことです。
本当はたくさんの人のチカラによってなんだけれど、真っ青な空の下で暮らす人たちが「風にのる馬に願いをのせて」と考えたのが、なんともステキではないですか!
ラダックの山で見つけたタルチョ
ラダックの峠にかけられたタルチョ
ラダックの山にも、峠には必ずといっていいほどタルチョがかけられていて、タルチョを見るたびに写真を撮ってしまうようになってしまいました。笑
インド、ネパール、ブータンのあちこちで写真におさめたタルチョたちを「ブッダと仏像日記」のタルチョのページにまとめたので、よかったらご覧くださいね。