アーユルヴェーダのお薬とその種類

アーユルヴェーダのお薬との出会い

インドのアーユルヴェーダ病院では、その多くがオンラインなどで無料の問診(コンサルテーション)を行っていて、日本にいながら現地ドクターの診察/処方を受けることができます。
911以降、液体を日本に郵送することが難しくなってしまいました。残念です。

インド号の田村も、インドに行く前に、南インド・ケララカヌールのアーユルヴェーダ病院からお薬を郵送してもらいました。

届いた箱を見てビックリ!!
長旅の苦労とオイルがにじみ、ダンボールがボロボロ(左)
拭いてキレイにした後。半量は夫の分(右)

実際に飲み始めてみて驚いたのが、まずい!種類が多い!大きい!時間の制約が面倒くさい!

日本のお薬との違いに不便や苦しみを感じながらも、しっかりと時間や約束を守り、この大量のお薬を数ヶ月かけて飲みました。

1ヶ月過ぎたころ、これまでの人生でずっと薬でなんとか乗り越えてきた、日常生活に支障をきたすほどのひどい生理痛が消えるなど、信じられないできごとが次々と起こったのです。

まさに良薬口に苦し!
お薬は良くなるために飲むもので、おいしくないのは仕方がないのです。

「自分の体が変化する」という揺るぎのない事実を知ってしまった私にとって、アーユルヴェーダへの信頼は確固たるものになりました。
そしてこの不思議な自然の力について、もっともっと習いたいと思いました。

アーユルヴェーダのお薬づくり

その後、インドのアーユルヴェーダ病院でお薬作りを学びました。

強い鉄の乳鉢と乳棒。とても重いです(左)
できあがったオイルを絞る機械(右)

粉薬は、飲んでも違和感のないくらいまで細かく粉砕します。
ワイルドな見た目の鉄の乳鉢と乳棒を使い、手作業でそこまで微粒子にするには、丁寧な作業を繰り返します。
毎日、毎日、数時間、重い鉄の棒を振り下ろしているうちに、どんどん筋肉がついてきました。

辛いと思ったときこそ力を入れてふんばらないと、時間がかかり疲れが増す一方です。
「辛い時こそ気合を入れてがんばる!」ことの大切さが身にしみました。

エラキリに使う薬草を刻んでいるところ

お料理のように見えますが、治療に使うキリ(kizhi、ボール、ボーラスバッグ)の中身を作っています。エラキリというトリートメントの準備中。

カヌールの市場にあるアーユルヴェーダの原材料屋さん(左)
固い原材料もガンガン切る、丸太のまな板と包丁(右)

材料も環境もご飯も、すべて自然がお薬

アーユルヴェーダ薬も、カラリパヤットゥという伝統武術の診療所で使うお薬も、 自然から材料をもらいながら数千年間使われ続けてきたものです。

科学的には、効果が証明されていないものが多いかもしれませんが、数千年もの間大切に使われてきたというのが証明にほかならないと思うのです。

たとえば、昔から食べられてきたリンゴのような食材が、突然「食べてはいけない毒でした!」と発表されたら衝撃ですが、最近実験で生まれたものが「食べない方が良いものでした!」と発表されても驚きはありません。

町中のアーユルヴェーダ薬局

道端のアーユルヴェーダ薬局。
ケララ州ではよく見かけますが、他州ではぐっと数が少なくなります。

ケララ州に数店舗有するアーユルヴェーダ製薬会社の原材料の棚(左)大鍋(右)

治すお薬と、お金儲けのお薬

アーユルヴェーダ病院の薪割りおじさんアーユルヴェーダのお薬は、古典にレシピが載っているので、どこの病院や薬局でも名前が共通しています。

そのほか、薬局やドクターが経験に基づき独自のレシピで作ったものも存在します。

同じ名前のお薬でも、製法の違いや分量の違い、使った材料の産地や季節などの違いで、色や香りなどが変わります。

経営を考慮してなのか、少ない材料からより多くのお薬を作る方法も大学で教わったと、恩師であるドクターが言っていました。

少ない材料から多量のお薬を作れる方法を取り入れる方もいれば、その話にショックを受けて、きちんと真面目に古典のテキストに従い作り続けようとする方もいます。
後者ばかりだといいのですが、そうでもないのが実情のようです。

カラリパヤットゥのお薬

カラリのオイルを作っているところ

ケララ伝統武術カラリパヤットゥのお薬は、カラリだけで存在する独自のものと、アーユルヴェーダと共通しているものがあります。

カラリ独自のものは、基本的に市販はされていません

師匠から弟子に伝えられた秘伝のレシピも多く存在し、体を消す薬や、体が燃えないようにする薬もあるそうです。

わたしの師匠は、診療所兼ご自宅で、家族総出でお薬作りをします。
小さな子供たちは、ターメリックを潰すなどできる作業を手伝い、大きな子供は森に材料を取りに行ったり、木に登って採ったり、力作業をしたり、それぞれ役割分担があります。

でも見極めは絶対にグルカル(師匠)です!
そうして、出来上がったオイルは、はじめに神さまに捧げます。

お薬の種類

煎じ薬
Kashaya
材料を煮込んで濃縮させます。苦いものが多いです。
オイル
Thaila / Kuzhampu
はじめに煎じ薬を作ってグツグツ薪の火で煮込んで絞って作るなど、とても手間がかかります。
発酵薬・薬酒
Arishta / Asava
花を使って発酵させます。発酵させているので消費期限はありません。
丸薬
Gulika
手でコロコロと丸めて作ります。とても固いので、摂取するときは潰して飲んだり塗ったりします。
ギー
Ghrita
澄ましバターと呼ばれるギーに、煎じ薬などを混ぜ込んだものです。口から摂取したり、目に入れたりします。
舐め薬
Leha
濃厚なペースト状で、滋養強壮のチャワナプラーシュ(チャヴァナプラッサム)が有名です。
粉薬
Churna
乾燥させた材料を微細な粉末にしています。飲む以外にも、洗浄に使ったり、水で溶いて塗ったりといろいろな使い方をします。

自然のエキスであるお薬、大切に使いましょう

今年も滋養強壮のお薬チャワナプラーシュできました「原料は自然から」
とはいっても、草木だけでなく、金属や母乳などとても広い自然を指します。

そこから加工してお薬を作ります。
自然に育つものは、天候に左右され、土地の元気さや獲る量によっても大きく変化します。

自然は、わたしたちと同じように生きていて、材料はすぐにできません。
これまで何千年間も大切に使われてきたから、今も残っていて私たちが使うことができています。

一部の人や企業が、高く売れるからと過大に宣伝して、これまで使っていなかった人の生活にいたずらに取り入れさせようとしたり、材料を乱獲して、一気に機械で加工してしまったりと、独り占めすると、すぐに無くなってしまいます。

これからもずっと恩恵を授かるために、必要な人が、必要なときに、必要な分量を使っていきたいですね。

インド号ポイント

アーユルヴェーダやカラリのお薬は、本当に不思議です。
マッサージをして、体から薬草いっぱいのオイルの香りが漂っていいるときは、赤ちゃんや犬が近寄ってくることが多いのです。一般的には、あまり良い香りとは言われませんが。笑

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