パンチャカルマ日記⑤:いよいよ集めたアーマを体外に排出!浣腸 バスティVasti

パンチャカルマおさらい

改めてパンチャカルマという浄化療法について、おさらいしましょう。
パンチャカルマの流れを見てください。

  1. オイルでゆるめる(前処置①)
  2. 発汗で液状にして、体のすみずみから一カ所に集める(前処置②)
  3. 一気に流し出す(本処置)
  4. 養生してしっかり復活(後処置)

今回受けるバスティという浣腸に至るまで、1→2と進んできました。
診察・処方ギーを飲むナヴァラキリピリチリ

今回3段階目の、本処置というメインイベントに入ります。これこそが、(パンチャ=5、カルマ=方法)の意味する5つの方法:嘔吐法、下剤法、浣腸法、点鼻法、瀉血法を示します。

最初の2段階の前処置なくしては、アーマというこびりついた毒素や汚れたドーシャなどをしっかりと体外に排出することができず、体への負担も大きく危険です。
関連記事:アーユルヴェーダの浄化療法 パンチャカルマとは?

浣腸法バスティVastiとは?

では、一番多くの人が処方されるバスティについてご説明します。

浣腸という言葉からご想像できるかもしれませんが、肛門から腸に薬液を注入します。腸というのはアーユルヴェーダではとても大切な器官であり、腸から吸収したものは全身に影響をおよぼします。

バスティは、ヴァータ Vataというドーシャに最も働きかける方法です。ヴァータには、全身を風のように駆け巡る性質があります。悪いものも良いものも運びます。バスティによって、ヴァータの状態が良くなるなると、毒素であるアーマや汚れたドーシャなどを、正しく運び出したり栄養をきちんと届けることができるようになるのです。

バスティには2種類あり、それぞれ使用する薬液が異なります。

  1. 大量のバスティ:煎じ薬
  2. 少量のバスティ:オイル

ただその場だけの「全て出す」というのが目的なら、排泄を促す強い薬を使えばいいのでしょう。でもアーユルヴェーダは、根本から良くしたいという目的があるので、潤いや栄養も与えるのです。潤いはとても大切です。例えば・・・

  • 適切な潤いのある腸を通過する便は、水分を保った状態でいられるので排便しやすい
  • 乾燥した腸を通過する便は、水分がどんどん失われ便秘となりやすい

バスティ日記

では、わたしが受けた約40日のパンチャカルマで、メインの本処置、とはいっても途中段階で受けたバスティの日々をどうぞ。

1日目 – 少量

オナムというお祭りでお薬作りの先生のお宅訪問をした翌日、バスティが始まりました。

学校はまだオナム休暇中だったので、ぐっすり眠って準備万端。
朝ご飯はお隣タミルナドゥ州の食堂へ。イドゥリー・ヴァダ・チャイを食べてお腹いっぱいになっていると、同じメニューを食べていた相席のおじさんは、さらにPaper Roastペーパーローストという大きなクレープ状のものを追加注文していました。朝からすばらしい食欲です。

ケララの食堂のイドゥリ、ワダ、ココナッツチャトゥニ、サンバル

その後病院へ少量のバスティを受けに行きました。数日前、友人が受けるところを見せてもらっていたので、要領は得ています。
浣腸の後、「最低30分は保持してね」とセラピストに言われ、ベッドの上でゴロゴロ。
のんびり過ごしたいのですが、腸に外から異物を入れるという非日常な感覚が、便意と勘違いさせ30分がとっても長く感じました。途中ぐるぐる音がしました。30分後、部屋にあるお手洗いに行くと、オイルがたくさん出ました。

異様に喉が乾き、市場にあるココナッツジュース屋さんで氷と砂糖抜きのジュースを飲みました。冷やしたもの(特に氷)はパンチャカルマ中NGです。お昼は、友人からのリクエストでベジタリアンの友人も食べられるアボカド丼を作りました。食後、一度下しました。ドクターに聞かれても困らないよう、記録記録。

大好きなフレッシュジュース屋さんの前を通りがかると、本日のラマダンが明けた人々でごった返していました。普段目にしたことのない食べ物が置いてあります。ブッタマルチェ?という甘さ控えめのベイクドチーズケーキのようなものでした。楽しいなー。夕方はビーチへのんびりお散歩に。

夜はお隣タミルナドゥ州から遊びに来ていた友人の友人が、手作りの夕飯をふるまってくれました。

2日目 – 少量

今日もオナム休暇です。

8時ごろ、昨日料理をふるまってくれたタミルの友人の友人を送りに駅に行きました。途中で豪雨になってしまいました。人も牛も雨宿り。運良くオートが通ったので、乗り込みました。
駅に着くと、オナム休暇中にカヌールに帰省していた人々が、列車のチケットを買うために大大行列を作っていました。駅構内のベジレストランで、イドゥリー、ポロタ、コーヒーの朝食。どこで食べてもおいしいです。

ケララのモンスーンの豪雨

午後、バスティを受けに病院へ行きました。
今日のセラピストは、衣装がなんだか華やか。以前働いていたセラピストの結婚式に行ってきたのだそうです。その衣装のままバスティとは!結婚式も施術も、日常の一コマなのですね。

院長先生から「最低1時間はお薬を保持するように」指示され、保持時間が倍に延びました。少量のバスティは、そのまま体内に吸収しても、排出してもどちらでもOK

デリーでテロがあったと日本からの電話で知りました。テレビや新聞を見ないので、誰かに聞かない限り気づきません。

3日目 – 大量

今日から学校再開。そして、今朝ははじめての大バスティ。ちょっとドキドキ。
起きてから、水も飲まずに病院へ行きます。

今日はセラピスト二人がかりです。まず一人目が部屋に入ってきて、ベッドにビニールシートを敷いたり準備し、その上に患者であるわたしが横たわります。
続いて、もう一人のセラピストがお薬をもって来るのですが、興味がわいた私は振り向いて確認しました。すると、想像以上に大きな容れ物をもっています。見られたセラピストもビックリ!

大量のバスティの用具大バスティのお薬である煎じ薬は、熱めで、小バスティの感覚とはまるで違います。腸がパンパンになる感じで、思わず「No! No!」と首を振りました。もちろん止めてはもらえません…笑
「もう少しだからがんばって」と励まされ、もう本当に無理と思ったとき「はい、終わり!」の声。
安心したのもつかのま、マッサージがはじまり、耐えられないかと思いました。やっとの思いで乗り越え、お手洗いへ。

ずっとお手洗いにいたいところですが、排便体勢のままで長くいるのは体に悪いため、長くて5分!で出てくるように言われ、深呼吸してベッドへ戻りました。すぐまたお腹が痛くなり、お手洗いへ。合計4回。
終わってからシャワーを浴び、ライススープ(ゆるい白粥)を食べました。

授業の後、猛烈な空腹感がやってきました。スタッフの食堂で、お弁当持参の女性ドクターたちや、病院で作ったランチを食べるセラピストに混じって、わたしもライススープをもらいました。こういうひとときに、普段とは違う家族や生活の話を聞けるのがうれしいです。

お夕飯もライススープ。お味噌をちょっと入れて食べました。
停電の中、クラスメートと互いのノートを見せ合って、授業で学んだことを共有しました。英語が堪能な彼女、とても助かります。

4日目 – 少量

こちらに来てから、自分でスパイスを潰して作るチャイを覚え、毎朝のお楽しみになりました。
昨日は大量のバスティでチャイは飲めなかったので、今朝はより楽しみにしていたのですが、冷蔵庫の中を見ると…牛乳がありません!ガックリ。すでにスパイスは煮出してしまったので、ココナッツビスケットと小さなバナナをお供に、ちょっときついミルク無しのチャイを飲みました。

今日は久しぶりのヨガクラス。オナム休暇中は、お休みだったため自主練。昨日は大量のバスティでヨガNGだったのです。

お昼ごはんは、お気に入りのベジ食堂へ行きました。残念、お休みです!時間がないので、近くのレストランに入りました。そして、しくじったことに気付きました。食堂ならパッと定食が出てくるのですが、レストランはメニューも多く、出てくるまでに時間がかかるのです。
午後一番に受けることになっていた小バスティ、少し遅れてしまいそうなのでセラピストに連絡。お薬作りのタイミングに間に合って良かったです(その理由は後ほど)。

少量のバスティの後、1時間保持してお手洗いに行くと、ほんの少しだけオイルが出ました。
長期間のパンチャカルマを経験してきた友人は、「最初は量が多いけど、少なくなってきたのはキレイになってきている証拠で良いこと」だと言っていました。体もパンチャカルマの目的も全く違う二人が、同じ変化をしたりしなかったりで本当におもしろいです。

この日の授業は、バスティのお薬作り

バスティ用の薬づくり。撹拌作業午後の授業は、ちょうどバスティのお薬作り。
こんなにも時間と労力をかけて準備をしていたのかと驚きました。

1時間〜1.5時間ほど、攪拌し続けるのです。重く、二人で交代しながらやっても疲れました。

しかも、苦労して作ったお薬の消費期限はたったの1〜2時間。そのため、明日のわたしのバスティに使用することはできないのです。
残念ながら処分しましたが、バスティの時間には絶対に遅れないようにしよう!と心に誓いました。

家に戻ると、無性に掃除がしたくなり、バスルームをゴシゴシピカピカにしました。

5日目 – 大量

大量バスティ2回目。今日も水も飲まず病院へ。

昨日お薬作りをして、大変さやありがたさが身に沁みているので、スムーズに受けたいと思ったのですが、やっぱり腸がパンパンになると「No!」と言っていました。

本日は合計3回お手洗いに行きました。
お腹がペッコペコに空きました。今日はステンレスのカップでドロッとした重湯を飲みました。あまりにおいしく2杯飲みました。空腹が一番の調味料ということを実感しました。

パンチャカルマ中に病院で飲んだ重湯

授業中は貧血のように頭がぼーっとする時がありました。昼食もライススープ。

午後は、瓜を使って舐め薬(ペースト状)Kushmanda lehyaを作りました。
夕食はボイルしたバナナとライススープ。大バスティの後だからか、とても疲れました。シャワー中に停電。

インドの瓜、クシュマンダ

6日目 – 少量

大バスティの翌日は、より楽しみなチャイ。あぁ、またも牛乳がありません。
今回はスパイスを準備する前に確認していてよかったです。とりあえず水でごまかすことにしました。

ヨガクラスに行くと、いつもより体が疲れているのがわかりました。
ヨガを終えて朝食のために家に戻ると、牛乳を発見!誰かが買ってきてくれていて、チャイを飲んで学校へ行くことができました。

午前の薬草についての授業を終え、お昼はベジ食堂のミールスを食べに。今日も閉店。
時間のかかるレストランではなく、少し先にあるタミルナドゥー州の料理を出す食堂へ。2種類のミールス、ビリヤーニが各17ルピー。

リキシャで戻り、小バスティ。1時間保持し、お手洗いに行ってから授業へ。樟脳のオイルKarpooradi Thailmを作りました。

7日目 – 大量

本日は大バスティ。
なかなかうまくいかず、ゆーっくりと深呼吸を繰り返します。一度仕切り直し!ポーズを変えて改めてトライすると、無事できました。Noも言わず、最後までいくことができました。お手洗い合計3回。

ぼーっと眺める天井のシーリングファン。優しい風が心地がいいです。
アーユルヴェーダ病院のシーリングファン

ライスウォーター(重湯)をいただいてから授業へ。今日も力が出ない感じで、座っているのが怠かったです。

昼食は病院のライススープ。そして午後はペインバームPain Balmという日本でも大活躍している便利な軟膏作り。
夕食は家でライススープ味噌味を作り、ボイルしたバナナをマッシュしたものも食べました。

8日目 – 少量

本日バスティ最終日。

お昼は友人お手製のドーシャ、チェルパヤールという緑豆のカレーなどをいただいて小バスティへ。
今日は新人セラピストに指導しながらだったので、ちょっと恥ずかしかったです。

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