きちんと生活をしよう3:体を使おう

インドから日本へ戻ると、どんどん力が弱るのを感じます。
便利が多くて、体を甘やかすことができるのです。

段差がないことは、不自由な人や車輪にとってはいいこと。
でも、段差を跨ぐときに自分の足を持ち上げる力、この元気なときは意識をしないような力の積み重ねが、小さな筋力トレーニングになっているのです。
階段の段差がきついことも、平でない場所を歩くことも、自分で買い物に出て荷物を持つことも、一つ一つが必要なことをできるように保つトレーニングなのです。

便利すぎるもの:うるさいトイレ

個室に入ってしばらくすると、耳の近くで「このトイレは自動で水が流れます」と大きな音が流れてびくっとします。
他の個室からも、同じ音声が聞こえてきます。
つづいて、水を流しているような電子音が流れます。
余計な水を流さないためのエコとして採用しているのだと思いますが、電気を使っているし、機器を購入する必要があるし、人によっては音を消すための必要のない音を流します。トイレに入って音がするのは当たり前だと思うのです。
少し体を動かしたら、突然水が流れました。
出る前に水を流そうとすると、さっき一度自動で流れてしまったので、手動で流す方法がわかりません。
ボタンを探しましたが見当たりません。使い方の張り紙を見つけました。
赤いボタンを押すと流れるそうです。今度はそのボタンを探します。そのボタンは、とても小さくて、機械の影に隠れていて見つけづらいのでした。
結局、水を二度流すことになりました。

便利を狙ったはずが、注意書きが増えたり、滞在時間が長くなったり、水を流す回数が増えたりしています。
以前わたしよりずっと年上の人が、なかなかお手洗いから戻ってこないと思ったら、同じ出来事に遭遇していました。機械に慣れている私たち世代でこれほど迷うことですから、親世代、祖父母世代にとっては更に難しいのではないでしょうか?
水が自動で流れないところでは、「このトイレは自動ではありません。流してください」という張り紙も見かけます。
何も考えずに、流さずに出ていってしまう人が増えたからです。

体調チェックのために、自分がどのくらいの量、どのような質のものを出したかを見るのは大切なこと。
いつもより色が濃い、匂いがきつい、そんなところにサインが出ているのです。
それなのに、勝手に流されては困ってしまいます。

子どもが蛇口に手を出して「水が出ないよー」と親に訴えている姿も見かけます。
家では蛇口をひねる動作をしていると思うのですが、外の手洗いは自動だという常識があるのでしょう。

これは便利ではなく不便だと思うのです。

力をつけましょう

小学校の先生が、しゃがめない子供たちが増えている言っていました。
でも、しゃがむという動作が必要になることは多いのです。いざというときは特に。
外国に行って困ることもあるでしょうし、災害時や屋外で用を足すことになったときも、困ることが多いでしょう。

便利なツールをたくさん使って、守って守って体を甘やかして過ごすよりも、いろんなことができる力をつけた方が便利だし生きていきやすいのです。選択肢が増えるのです。

ビンを開ける力。粉を捏ねる力。ドアを開ける力。立ち上がる力。持ち上げる力。押す力。考える力。掃除をする力。磨く力。いざというときに長い時間歩く力。抱える力。

小さなころ、携帯電話のない世の中では、友人宅の電話番号をたくさん覚えていました。覚えないと、いちいち確認して電話しなくてはいけませんが、覚えてしまえばパッとかけられるからです。
面倒くさいから、自分の能力を高める。
小さなころに覚えた電話番号は覚えていても、今は家族の携帯電話番号も覚えていません。メモリに入っていて、呼び出せばすぐに電話をかけられるからです。
インドで電話をしていたら、電話番号をメモする必要がありました。周りにいたインド人の子たちに協力してもらって、国番号から始まる長い電話番号を覚えてもらいました。数桁ずつに区切って覚えてもらおうと思ったのですが、3人が全ての桁を楽々覚えていました。
使っているから、すんなり入る。
動きや言葉、いろんなことを覚えるのが、とても早くて驚きっぱなしでした。

力は、使うことで育ちます。
毎日毎日、いろんな力を使って、弱らせないようにする。弱ってしまったら、使ってまた育てましょう

こんな便利を手放そう

豊かなニッポンには、ものが溢れています。家にこんなものはありませんか?

  • CMで勧めてたから、ついつい買ってしまったけど、あまり使っていないもの
  • 周りの人が持っているから、自分にはいらないと思ったけど、付き合いで買ってしまったもの
  • 安かったから買ってしまったもの
  • 使いこなせなくて持てあましているもの
  • もらったけど、使っていないもの
  • 使っているけど、無くてもいいかもって思っているもの
  • ずっと使っていないもの
  • 目に入ると「使わなきゃなぁ」と思わせるもの

こんなものは、あなたに必要ありません。
「お金を払ったから」とか「せっかく買ったから」そんな理由で、無理して使って慣れるのは無駄なことです。
結局使うのが面倒くさくなったり、壊れたからと手放すことになったとき、その無理に入れた習慣や慣れた便利から元に戻るのに苦労します。
いらないと思ったなら、使わないで今の力を持続させましょう。

運動

体を使っていますか?重く感じていたら、運動しましょう。
体力をつけることで、より動けるようにもなり、消化力もアップします

やり過ぎはよくないので、運動は、体力がある人や脂っこいものをよく食べる人、春や寒い季節は、体力の半分程度=軽く汗をかき喉が渇く程度。
それ以外の人や季節は、軽い運動がおすすめです。
運動のしすぎは、寝ないことや長距離歩くこと、笑いすぎたりおしゃべりしすぎたりすることと同じように、体に良くないとされています。
ほどほどが一番。

昔よく運動をしていた方の場合、つい昔のように急に激しいことをしてしまいがちですが、頭ではイメージできても体がついていかず、大きな負担がかかります。
ケガにもつながるので、最初から全盛期のように動こうとせず、初めてのころように基礎から始めましょう。

運動後は、軽くマッサージをしておきましょうね。

生活の中でエクササイズ

特別な運動をしなくても、生活の中で体を動かすことができます
たとえば掃除をするとき、ほうきやちりとりを使ったり、上の方に腕を伸ばしたりしゃがんだりしながら隅々まで汚れをチェックしたり、床磨きだって重労働。
車の使用を減らして、歩いてみたり、オンラインショップで買っていたものを、お店に買いに行ってみたり、除草剤を使わずに草むしりをしたり、荷物の集荷を頼まずに持っていったり、買っていた加工食品を自分で作ってみることもできますね。

体を使うと、いろいろ出しやすくなって、頭もすっきりして、よく眠れて、心も体もよろこびます

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