広い広いインド。主要都市には飛行機も飛んでいますが、できるだけ安くインドを旅するのなら、旅の足はやっぱり電車が一番です。
でも、電車での移動を検討しているときに、「車両の等級ってどうちがうの?」と悩むこともしばしば…。そこで今回は、外国人旅行者がもっともよく使うであろう2等(2A)、3等(3A)を図解しながら違いをご案内していきます!
寝台列車の見取り図
車両によって細かいちがいはありますが、寝台車両のレイアウトはだいたい右図のようになっています。
右側の席は、ベッドが2列並んで区切られていて、ボックス席のようになっています。
左側は、通路に添って縦にベッドが配置されています。こちらはかなりプライベード空間ですが、寝ているすぐ横が通路なので、人の気配を近くに感じるという部分ではちょっと落ち着かないという人もいます。
2等と3等の3つの大きなちがい
ボックス部分を横から見ると、こんな風になっています。
具体的に、2等(2A)と3等(3A)のちがいを見ていきましょう。
1:ベッドの数と広さ
簡単に言うと、2等は2段ベッド、3等は3段ベッド。
あたりまえですが、2等よりも3等の方がチケットも安くて、席数(ベッド数)も多くなります。そのため、ボックス自体の幅も狭くなりますし、ベッド自体の幅も少し狭くなっていきます。
日中の短距離(3〜4時間)の移動のときであれば、ほとんど座っているので3等でも十分ですが、日中であっても長距離(7〜10時間以上)の移動のときには圧倒的に2等の方が快適です。
▼2等の車内。カーテンがあるのでプライベート空間。160cmの田村もかがむことなく座れるゆとりがあります。
▼3等の車内。3段ベッドの最上段で横になる150cmの廣瀬。背が高い人は、ベッドからはみ出してしまいます。
ちなみに、夜寝るとき以外は基本的にみんな下段のベッドを椅子として使うので、自分が下段のベッドを予約していたとしても、占領はできません。。上のベッドを予約している人も寝るまでは隣に座るので、驚かないでくださいね。
2:荷物を収納できるスペース
電車での主な荷物の収納場所は、座席(ベッド)の下。上で紹介した図を見ていただくとわかるように、ベッドの数が増えることによって、この荷物を置ける場所の奥行き・高さも3等だと狭くなります。幅のあるスーツケースなどを持って旅するときには、2等の方が安心ですね。
乗客が少なければ自分の席ではない場所に収納することも可能ですが、自分の目から離れてしまうような場所に置くときは、必ずはしご等と荷物をチェーンで繋いで置くようにしましょう。
3:3等ならではのベッドの出し入れ
3等の3段ベッドですが、日中は中段のベッドは畳まれていて、2段ベッドのようになっています。下段の背もたれになっている茶色いマットの部分が、中段のベッドになるのです。
寝るときには、これを起こしてベッドをつくります。
2人でやる方がラクですが、意外に力もいらないので女性ひとりでも簡単にできちゃいますよ。
縦の席を、座席からベッドに変形させるのも、とっても簡単です。
3段ベッド最大のネックは、起き上がったときに背筋を伸ばして座れないこと。。
中段の人と下段の人の寝るタイミングが同じならいいのですが、真ん中の人が起きたのに、下の人がまだ寝ている…なんていうときは、中段のベッドをしまうわけにもいかないので、ずっと横になっていなければなりません。
右の写真の女性は、下段のベッドに座っていますが、頭が中段のベッドにあたってしまい背中が曲がっているのがわかるでしょうか?これはかなり辛い状態です…。
設備・サービスの早見表
設備・サービス | 2A | 3A |
毛布サービス | あり | あり(有料) |
カーテン | あり | なし |
電源 | あり | あり |
扇風機 | あり | あり |
トイレ | あり | あり |
車内販売 | あり | あり |
ゴミ箱 | なし (夕食後はゴミ袋が回ってくることも) |
なし |
ゴミ箱
ゴミ箱を使う習慣があまりないので、ゴミは基本的にその辺にほっぽらかし。なので、乗客が去ったあとの座席下は、右の写真のような感じです。
車両のドアからゴミを投げ捨てることもありますが、町がどんどんゴミで汚れていってしまうので、できるだけ避けたいですね。
トイレ
車両と車両の間にトイレ・洗面があります。トイレには水道と桶が付いていて、インドローカルな手で洗うタイプです。手で洗うことに抵抗がある方はトイレットペーパーを持って行きましょう。
車内販売
駅の売店でも食べるものを買うこともできますが、車内でも軽食の販売はあります。乗る列車の時間にもよりますが、2等だと、晩ごはんも付いてきます。
電車のごはんについては、また今度改めてインドごはんで紹介することにしますね。
飲み物は、ペットボトルの水の販売もありますし、チャイもしょっちゅう回ってきます。
毛布・シーツサービス
夜に乗る場合、2等には毛布とシーツを無料で配ってくれるサービスがあります。右の写真のように、カバー付きの枕とシーツと毛布が入った紙袋をもらえます。
3等でもシーツを借りることはできますが、その場合は有料になります。
インドの列車に乗るとき持ってると便利なもの
鍵付きチェーン
長時間電車に乗る場合には、トイレなどで席を立つこともあります。できるだけ荷物から目を離さないでいたいですが、いちいち持ち運ぶこともできないので、スーツケース等の大きな荷物はチェーンではしごなどに括りつけておくと安心です。
おやつ
車内販売もありますが、乗る前に商店などでクッキーやちょっとつまめるお菓子などを買っておくと、ふとしたときに助かります。小腹が空いたときや、チャイを飲むときになんか甘いものがほしいなぁ、なんてときにも。
暇つぶしグッズ
車窓からの景色を楽しむのも良いですし、インド人と交流するのも楽しいですが、8時間を超えるような長い移動の場合には本や携帯など自分なりの暇つぶしグッズを持っているといいです。
眠れもしないし、やることもないけど、まだまだ目的地には着かない…という状況がわりとキツかったりしますので…。
気持ちいい布
混雑具合にも寄りますが、人との距離がわりと近くなる車内の環境。気持ちいい布を一枚持っていると、毛布のように使えたり、カーテンのように他の人との仕切りに使えたり、顔にふわっとかけてアイマスク代わりに暗い環境をつくったり、色々と役に立ちます。
分厚いものではなく、できるだけ軽いコットンのような布がおすすめです。
小さいバッグ
電車に乗る前の荷造りのときに、車内用の荷物を小さなバッグに入れて準備しておけば、乗り込んだときにもすぐに取り出せるのでモタモタしませんよ。
列車の旅で何を優先したいかを決めよう
等級選びは、あなたが列車の旅で何を大切にしたいかがひとつの基準になります。
たとえば…
インド人とおしゃべりしたり交流がしたい!という方だったら、ボックス席の下段がおすすめ。2等よりも3等の方がチケットの金額が安かったり、席数が多いので、3等の方がよりインドの雑多な雰囲気を感じられるはずです。
できるだけ一人でいたい、プライベート空間がほしいという方なら、2等・3等の縦の席。適度に交流もしたいけれど、一人の時間もほしいという方は、2等の上段…というような感じ。
ちなみにインド号は、よっぽどの短距離でなければ基本的には2等に乗ります。広さ、荷物の収納、横になるときの快適さ等、やっぱり2等の方がおすすめです。
でも、2等は席数が少ないので早めに予約をしないと埋まってしまいますし、キャンセル待ちになっても3等の方が繰り上がる可能性が高いので、臨機応変に3等を利用するのもアリです。
インド人たちも日々よく使う列車。
町を歩くのとはまた違ったインドを覗けるはずです。
ぜひインドの旅で体験してみてくださいね!